分断された森をつなぐ野生動物の橋の開発と普及
アニマルパスウェイ研究会
ANIMAL-PATHWAY RESEARCH SOCIETY







アニマルパスウェイとは?
道路建設等で森林が分断・細分化されると、ヤマネやリスのような樹上性動物に様々な影響が及びます。
- 採餌場所の減少
- 繁殖機会の減少
- ロードキル (野生動物の道路上での轢死事故) の発生 等
これらを軽減するため、分断された森林の間に設置する人工的な通り道を「アニマルパスウェイ」(Animal-pathway)と呼んでいます。
現在では国内外に20例近くの事例があります。
アニマルパスウェイ研究会について
目的
アニマルパスウェイ研究会は、道路などの直線的構造物で分断された森林に棲息する樹上性小動物のための廉価な「アニマルパスウェイ」を開発しています。本研究会は森林生態系を保全するための実践的研究と国内外への普及を図ることを目的とした任意研究会で、様々な取り組みを行っています。
既存の道路上で歩行者や車の安全を確保し、設置後のメンテナンスはできるだけ簡単に、建設費を安価に抑えられれば…..全国にアニマルパスウェイの輪が拡がる!
そんな「普及型アニマルパスウェイ」の具体的な提案を目標に、2004年に研究会が発足しました。
発足メンバーとして、ニホンヤマネ保護研究グループ(当時はKEEPヤマネミュージアムが事務局)・清水建設・大成建設・エンウィットが参加しています。それぞれの専門性を活かして様々な観点からアニマルパスウェイの研究・実践・普及に努めています。
2004~2011年
2004.1.13 経団連自然保護協議会のNGOと建設業の懇談会、アニマルパスウェイ研究会発足
2004.4~2005.8 APWの実証実験
2005.10 実証用APWを北杜市清里のKeep協会敷地内の私道上に建設、モニタリング機器設置
2006.3 日建連に協力要請
2006.5.2-4 初めてAPW上を利用するニホンリスを確認、撮影
2006.12 初めてエコプロダクツ展に日建連と共同で出展
2007.7.23 北杜市の市道上にアニマルパスウェイ1号機設置(北杜市長の協力で実現)
2008.5.30 土木学会環境賞受賞
2009.1. NTT東日本が研究会入会
2009.07.05 NHKダーウィンが来たのダーウィンニュースでAPW放映
2010.03.02-03 フジテレビ FNNニュース、めざましテレビでAPW紹介
2010.03.21 北杜市、八ヶ岳高原道路(県道)上にAPW建設
2010.10.11 NHK総合【SAVE THE FUTURE】にてAPW紹介
2010.10.19-28 生物多様性条約COP10(名古屋)にてシンポジウム、展示、北杜市APWのエクスカーシ
ョン実施、COP10公式イベント:経済界と閣僚級の懇談会で大成建設社長がAPWについて紹介
2011.2~3 那須平成の森APWの設計実施
2011.7.11~18 トレインチャンネルにてAPW紹介(パナソニック):JR東日本、西日本、東急
2011.7.28 中部建設青年会議にてAPW講演(飯田市)
2011.8.24~9.20 伊勢丹でヤマネ展示
2011.10.19~21 那須平成の森、県道上にAPW建設
2012~2022年
2012年5月 一般社団法人 アニマルパスウェイと野生生物の会(ApWA)設立
2013年3月 名古屋市志段味水野線市道上にAPW設置
2013年11月 日経地球環境技術賞優秀賞 12月シンポjジウム(経団連会館)開催
2014年10月 国連生物多様性の10年日本委員会連携事業に認定
2014年12月 エコプロダクツ展にApWAとして初出展 以後毎年参加
2015年2月 この年より野生生物と交通研究発表会を共催
2015年3月 グッドライフアワード環境大臣賞優秀賞受賞 4月地球環境大賞審査員特別賞受賞
2015年5月 富士山周辺地域の生物調査の開始
2015年10月 英国ワイト島鉄道線路上にAPW設置しBBCで紹介
2015年11月 北杜市奨励賞受賞、道路生態研究会発足し団体会員加入
2016年9月 IENE2016(フランス リヨン)にてアニマルパスウェイ発表、ポスター賞
2016年11月 国道4号線盛岡北道路国道上のAPW設置で、二ホンリス利用確認、シンポジウム開催
2016年11月および2018年8月 紀勢国道仮設橋下に3基APW設置
2017年5月 経団連自然保護協議会より25周年記念表彰
2017年6月 動物を救うアニマルパスウェイ(湊秋作著)発刊、
2017年6月 アニマルパスウェイの製作・建設ガイドブック発行
2017年9月 国際ヤマネ学会でアニマルパスウェイ発表
2019年6月 港区立エコプラザで1ケ月展示 7月 ミニシンポ開催
2019年10月 帯広市稲田小前市道上にAPW設置
2019年11月 一般社団法人ヤマネ・いきもの研究所創設
2020年10月 日本哺乳類学会 Mammal Studyに福山大佐藤教授『富士山北麓の野ネズミ類の遺伝子
分析』発表、ヒメネズミのスバルラインによる分断を証明
2021年3月 尾鷲において三重のワ・アニマルパスウェイが初めて設置された
2021年4月 山梨県に意見書提出
2022年10月-12月 クラウドファンディングによるアニメ資金調達実施
2022年12月 Folia PrimatologicaのCanopybridge特集にヤマネブリッジ、ヤマネトンネル、アニマルパスウェイなどの取り組みを発表